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外国人スタッフの「がんばり」に報いるために|脱退一時金制度の徹底調査報告
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2026年3月23日

外国人スタッフの「がんばり」に報いるために|脱退一時金制度の徹底調査報告

株式会社カネタには現在、外国人スタッフが在籍しています。彼らは言葉や文化の壁を乗り越え、日々一生懸命に業務に励んでくれる、私たちにとって、かけがえのない大切な仲間です。そんな彼らが日本で働いた証として受け取れる「脱退一時金」について、2025年6月に成立した年金制度改正法により、制度の見直しが行われることとなりました。この年金制度改正法は、カネタの外国人スタッフにどう影響するのか。「脱退一時金」制度について調べたことをまとめました。

 

1.「脱退一時金制度」とは?

「脱退一時金制度」とは、日本国籍を有しない外国人が、日本の公的年金制度(国民年金や厚生年金保険)に一定期間加入した後、年金を受け取るために必要な期間(受給資格期間)を満たさずに日本を出国した場合に、納めた保険料の一部を一時金として受け取れる仕組みです。

この制度は、日本への滞在期間が短く、将来的に日本の老齢年金を受け取ることができない外国人のために設けられています。脱退一時金を受け取るための主な要件は以下の通りです。

1) 日本国籍を有していない。

2)日本の公的年金制度(国民年金または厚生年金保険)の被保険者でない。

3)国民年金の保険料納付済期間、または厚生年金保険の加入期間の合計が6か月以上ある。

4)老齢年金の受給資格期間(原則として合算して10年間)を満たしていない。

5)障害基礎年金や障害厚生年金などの年金を受ける権利を有したことがない。

6)日本国内に住所を有していない。

7)最後に被保険者資格を喪失した日(資格喪失日に日本国内に住所があった場合は、日本を離れた日)から2年以内に請求する。

支給額の計算に用いられる月数の上限は、従来は36か月(3年)でした。その後、特定技能1号の創設などによる在留期間の延長を踏まえ、2021年4月以降に保険料納付期間がある場合は「60か月(5年)」に引き上げられました。

 

2.「脱退一時金」制度見直しの理由は

日本で仕事する外国人の増加に伴って、この脱退一時金の支給件数は増加傾向にあります。厚生労働省の資料によると、2022年度には合計で約9.4万件の支給が行われました。そして、この2022年度の受給者のうち、約24%(約2.3万件)が在留資格の期間を残したまま一時帰国し、受給しているという事実です。これは、特別な許可を改めて得るというよりは、ビザの有効期限内に日本へ戻ることを前提に、手元の資金を確保する手段として制度が広く利用されている実態を表しています。

脱退一時金は本来、日本に短期滞在する外国人向けの「掛け捨て防止」のための制度でした。ところが、再入国許可を得て、出国した人が脱退一時金を受け取っていることから、日本に戻る前提で出国しながら一時金を受け取ることへの違和感や、再入国予定がある場合の清算を制限すべきといった意見が出されるようになりました。

厚生労働省の資料を読むと、「脱退一時金について、再入国が予定されている場合について清算することはやはりおかしいと思う。そういう場合は脱退一時金を請求できなくすることがよいのではないか」などの意見が記載されています。こうした意見を受けて、2025年6月に成立した年金制度改正法により、制度の見直しが行われることになりました。

具体的には、再入国許可(みなし再入国許可を含む)を受けて出国した外国人については、その許可の有効期間内は脱退一時金を支給しないこととされたのです。

なお、同時に脱退一時金の支給上限を現行の5年から8年に引き上げる改正も盛り込まれました。

 

3.「脱退一時金制度」見直しはいつから?

私はカネタで労務全般を担当しています。脱退一時金制度見直しのニュースに接し、真っ先に考えたことは、当社外国人スタッフへの影響です。「自分の制度の理解不足で、カネタで働いてくれた人に損をさせたくない」と思ったのです。同時に「一度住民票を抜いて帰国し、年金を受け取れば二度と日本に戻って来られないのではないか」という不安も覚えました。

「無理な手続きで彼らの再入国の道を閉ざすようなこともあってはならない」と思ったのです。

そこで、制度見直しについて正しく把握したいと考え、監理団体や年金事務所に問合せを行いました。

問合せへの回答は、再入国許可を受けている場合、脱退一時金の支払いは「改正後のルールでは認められない」というものでした。

実は後でわかったことですが、2025年6月に成立した年金制度改正法による脱退一時金制度の見直し(再入国許可を受けて出国した者への支給制限など)が適用される時期は、「施行時期は公布から4年以内の政令で定める日」とされています。つまり、2026年3月時点で、具体的な施行日はまだ決まっておらず、2026年3月現在はまだ旧ルール(現行法)が適用されるのです。ところが、「再入国許可者の支給制限」という報道に接した人の多くが、将来のルールを現在のルールと混同して「認められない」と回答していたのでした。

実は、最新の情報を扱うAI(Gemini)でさえ、当初は正しい答えを出せませんでした。 現場の厳しい運用方針や、インターネット上の不確かな情報に引きずられ、現時点での法的な正解を導き出すことができなかったのです。

 

4.「脱退一時金制度」の実態

最終的には、日本年金機構の本部(ねんきんダイヤル)や入国管理局へ確認しました。そこで確認した内容は以下の通りです。

項目 現状の運用(2026年3月時点)
再入国との併用 申請時に支給要件(住所を有しない等)を満たせば可能
再加入までの期間 脱退一時金の請求が受理された後であれば、再入国し再び社会保険に加入することは可能
支給回数のルール 要件を満たすたびに、何度でも受給可
在留資格の安全性 期限内であれば再入国に支障なし
支給上限期間 最大60か月(5年)

※改正法施行後は最大96か月(8年)に引き上げ予定

 

(1)脱退一時金は「生涯に一度」ではありません

 今回の調査で再確認できた重要な点は、この制度は「一生に一度だけ」の権利ではないということです。要件を満たすたびに、何度でも申請することが可能です。ただし、一度受け取るとそれまでの加入期間はリセットされます。将来「一生もらえる年金(10年以上の加入が必要)」を目指す場合には注意が必要であることも、併せて本人に伝えていくべき大切な事実です。

 

(2)現行法では「再入国して再び社会保険に加入しても、支給を差し止める法的根拠はない」

今回の調査の大きな転換点は、年金機構の本部から「現行法(2026年3月現在)のルールにおいて、申請書に受領印をもらった日付以降であれば、再入国して再び社会保険に加入しても、支給を差し止める法的根拠はない」という明確な回答を得たことです。「ルールに反しているのではないか」と心配していた関係者に対しても、この「本部の正式な回答」をもって、現在の日本において何が正当な手続きであるかを明確に示すことができました。

 

5.カネタは外国人スタッフの人生と権利を正当に守るパートナーでありたい

異国の地で一生懸命に働くスタッフにとって、日本での蓄えは自分と家族を守るための大切な資産です。

今回の件を通じ、改めて「単に働く場所を提供するだけでなく、彼らの人生と権利を正当に守るパートナーでありたい」と強く感じました。カネタはこれからも、変化し続ける制度を常に注視し、自ら正しい情報を掴み取りにいきます。

スタッフ一人ひとりが、「カネタで働いて本当に良かった」と心から思い、笑顔で未来を描ける環境を私たちは誠実につくり続けてまいります。

 

(文責:藤崎亜紀)

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