
カネタ50年の歴史⑪
カネタの歴史 vol.11-図面管理システム「ドルフィン」とYAGレーザー溶接機の導入、カネタとリーマンショック
カネタでは、創立50周年を機に、カネタの歴史を「創立50周年記念誌」にまとめました。多くの方に読んでいただきたく、「創立50周年記念誌」の内容をご紹介します。今回は、挑戦期(2006-2012年)のお話②です。
1.ドルフィン、YAGレーザー溶接機の導入
2008(平成19)年、佐多は枚岡合金工具が開発した図面管理のシステム「ドルフィン」を初めて目にする。
カネタはそれまで、お客様から問い合わせがあると、図面倉庫から紙のファイルを探して対応しており、とても効率が悪かった。ドルフィンはデジタルで無限に図面管理ができ、すぐに印刷することもできる。
佐多はその場でドルフィンの導入を決めた。これがカネタのペーパーレスの走りとなる。ドルフィンのおかげでお客様は、「カネタに来れば、カネタでつくってもらった昔の製品の設計図でもすぐに出してもらえる」と安心して任せてもらえるようになった。
YAG レーザー溶接機も見学に行ったその場で導入を決めた。これは1000 万円を超える価格だった。YAG レーザーは、金属同士をくっつけることも切断することもできる優れもので、今でもこれを導入しているところは少なく、YAG レーザーがあることにより、「カネタに頼めば、たいていのことができる」と徐々に仕事が増えていった。
YAG レーザー溶接機、ドルフィンともに他社ではまだあまり使われていなかったので、広告塔の役割も果たすことになる。
2.リーマンショック
2008(平成19)年9 月、リーマンショックが起こる。リーマンショック後は、売上げが約半分になった。しかし、業績がよかったことと、前年から始めていた勉強会のおかげでハローワークへの補助金申請ができ、従業員を一日も休ませることなく済んだ。
また、リーマンショック直前に過去最高の売上げと利益率を上げていたので、銀行からは借り入れ限度額の100%のお金を借りることができた。運よくリーマンショックを乗り切ることができたが、売上げ回復には、その後約10年かかった。
●リーマンショックとは
2008 年9 月15日に、アメリカの投資銀行、リーマン・ブラザーズ社の経営破綻をきっかけに、世界的に株価が下落し、金融危機が起こった。日本でも株価は下落し、人々は銀行に対する不安から預金をしなくなり、銀行は貸し渋り、多くの企業で資金繰りが悪化。不景気が続く原因となった。