「鉄が鳴く。」…

鉄が鳴くとは、いったいどういう意味なのか、お分かり頂けるでしょうか？

鉄が持つ本来の性質を最大限引き出せるかどうかは、我々の腕に掛かっているといえますが、それにはまず、鉄への深い理解が必要です。そして、それは、熟練者であればあるほど、鉄に対する、愛おしい気持ちとなって現れるものなのです。鉄を知り尽くした者が、厳しい要求を迫る時に、それを受けた鉄が鳴くのです。それは職人でしか、聞き分けることの出来ない「声」なのです。鉄の痛みや苦しみを感じながら要求を繰り返す理由は、互いがその苦しみに耐え抜くことで、素晴らしい作品が創り出されることを知っているからです。

わたしたちは常に鉄と向き合い、共に、その努力を重ね合わせることによって成長するのです。モノ作りにおける鉄と職人とは、このように、とても深い繋がりがあるのです。わたしたちは、この「声」が解る「確かな職人」を、一人でも多く、育てていきたいと考えています。