カネタ50年の歴史⑬
カネタの歴史 vol.13-あまみ徳之島絆ファーム設立へのあゆみ
カネタでは、創立50周年を機に、カネタの歴史を「創立50周年記念誌」にまとめました。多くの方に読んでいただきたく、「創立50周年記念誌」の内容をご紹介します。今回は、挑戦期(2006-2012年)のお話④です。

1.合同会社あまみ徳之島絆ファームの設立とキクラゲ栽培
2011(平成23)年9 月、障がい者雇用の就労支援事業として、合同会社あまみ徳之島絆ファームを設立。
南西諸島の奄美群島のほぼ中央に位置する徳之島は、佐多はつみの故郷である。
佐多は、日経BP 社の企業勉強会で、とある社長から農福連携の話を聞く。障がい者が土に触れる農業をすることは体にもよいとのことで、キクラゲの栽培をしているということであった。社長との会話の中で佐多は「徳之島では、ガジュマルの木に自生するキクラゲがある」という話をした。
翌日、その社長から「野生のキクラゲの話が聞きたい」と連絡があった。当時、天然のキクラゲは1㎏ 2 万円もするほど貴重なものだった。流通している国内産のキクラゲは1%くらいで、それも菌種を植えて栽培しているとのことだった。
キクラゲに可能性を感じた佐多は、すぐに中国までキクラゲ栽培を視察に行く。すると食品の栽培なのに衛生環境が悪く、まったく参考にならなかった。
2.障がい者雇用支援の水耕栽培
佐多は、国産でよいものをつくって販路を開拓すれば、商売にもなるし、安全なものを消費者に提供できると考える。そこで、従来からキャッサバやじゃがいもなどを作っていた畑の一部を利用し、ハウスを建てキクラゲの菌床を買って、障がい者にも働いてもらえる農業を始めた。
ある時、徳之島町が障がい者雇用の一環で葉物野菜(ほうれん草、小松菜など)の水耕栽培のハウスを建てた。これも業務委託という形で、合同会社あまみ徳之島絆ファームが受託運営することになった。こうして、畑とキクラゲ栽培に加え、町営のハウス栽培の運営を行うことになる。
キクラゲは、順調に生産販売量を増やし、現在では、奄美群島全体にキクラゲ農家が増え、沖永良部島では名産品となり、加工品生産も盛んになっている。
