
カネタ50年の歴史⑩
カネタの歴史 vol.10-新たなシステムの導入と手形の廃止、新副社長・佐多はつみの誕生
カネタでは、創立50周年を機に、カネタの歴史を「創立50周年記念誌」にまとめました。多くの方に読んでいただきたく、「創立50周年記念誌」の内容をご紹介します。今回は、挑戦期(2006-2012年)のお話①です。
1.販売管理システムを導入
2006(平成18)年 8 月、販売管理システムを導入する。このシステムは、佐多はつみが摂津市商工会を通じて知り合ったパソコン講師・田子正人氏によって、カネタ用にオリジナルでつくられたものだった。
メーカーのシステム部門でエンジニアの経験のある田子氏は、カネタの業務や経理について細かくヒアリングしながら、原価計算ができるシステムをつくり上げた。費用もそれほどかからず、とても使いやすい素晴らしいシステムができ、IT 活用への道を拓いた。
これが後年(2019 年)「凄腕工場長」という生産管理システムの導入につながる。
2.新副社長誕生
2006(平成18)年 9 月、佐多はつみは副社長に就任。この頃には原価計算も明確になり、会社全体の組織も整い、体制もしっかりできていた。
佐多の営業の片腕は桂彰良(2002年に営業担当として入社)。2人でお客様を訪問したり、自由に事務用品等を購入する体質の社内改革を一緒に行った。
3.従業員のさらなる研鑽
2007(平成18)年、土曜日に勉強会をスタートさせる。現場の技術力の向上、5Sの活動など、仕事ではなく、勉強のために従業員全員が出勤した。
事務方にも事務系の勉強やQC(サービスや製品の品質を管理することを指すクオリティコントロールのこと)の試験を受けさせたりした。
社外から講師を招いたり、社内のメンバーで技術を教え合うなど、研鑽を積む活動や勉強会は、今でも続いている。
⒋支払手形の廃止
2007(平成18)年、支払手形を廃止し、銀行振込にした。業界では手形で決済しているところが多かったが、現金で商売をしていることが営業の後押しにもなり、話を聞いてくれる業者が増えた。
業績も伸びて資金繰りも順調だったため、手形をやめるにはタイミングがよかった。
●佐多はつみにとっての信用金庫との関係
佐多はつみは、取引信用金庫との関係についてこう語っている。
「金融機関との関係は、中小企業にとって切っても切れない命綱です。 しかし、その一方で、天気の日の傘に例えられるような思いをすることも無いとはいえません。
でも、これは、中小企業の自虐的意識からきているものだと思います。カネタの長い歴史の中では、取引が続かなかったり、小さなトラブルから感情を害して、こちらから縁を無くしたこともありました。
そんな中で、尼崎信用金庫摂津支店とは、長く良好な関係にあり、会社の節目には必ず寄り添っていただきました。地域の信金、中小企業の信金といわれますが、それが機能するのは、担当者との関係があってこそ。
企業が今、何を必要としているかを感じ取れる感性を身につけた担当者と出会うと本当に嬉しくなります。手形廃止の時は、そのタイミングの見極め、資金、関係業者への案内等、様々な相談に対応し、指導をいただきました。
㈱カネタが順調に変革を続けることができたのは、信金さんの担当者あってこそです。」