
防音カバーの設計のポイントは|効果的な静音化を実現するための考え方
カネタでは、20年にわたり、鍛造機械の防音カバーを製作しています。一般的な防音カバー用途や導入目的、導入メリット、製作ポイントなどについて説明いたします。
1.防音カバーとは|工場設備の騒音対策に欠かせない静音ソリューション
工場や作業現場において、コンプレッサーやプレス機、ファン、鍛圧機械などの産業機械から発生する騒音は、作業者の健康被害や集中力の低下の原因となることがあります。また、近隣住民とのトラブルの原因となることもあります。こうした課題を解決するのが「防音カバー」です。(防音ボックス、防音フードとも呼ばれます)
防音カバーとは、騒音源となる機械を囲い、音の漏れを軽減する製作物のことを指します。吸音材や遮音シートを組み合わせ、音の反射や透過を抑えることで、周囲の騒音レベル(dB)を大幅に下げる効果があります。
また、防音性能だけでなく、放熱性やメンテナンス性、安全対策なども考慮されて設計されており、単なる鉄製のカバーではなく、現場ごとの使用環境や目的に応じてオーダーメイド設計されるのが一般的です。
近年では、労働安全衛生法や騒音規制法への対応を目的として導入される企業も増えており、作業環境の改善・職場環境の見直しにも有効な対策の一つとして注目されています。
2.防音カバーの用途は|現場ニーズに応じた多様な活用シーン
防音カバーは、産業機械から発生する騒音を抑えるための重要な設備です。その用途は多岐にわたり、製造業や物流業、研究施設など、さまざまな業種・現場で導入されています。
(1) 主な用途と導入目的
以下に防音カバーの主な用途と導入目的をご説明します。
① コンプレッサー・ブロワーの騒音対策
工場内の圧縮機や送風機は連続運転が多く、常に高い騒音レベルを発しています。防音カバーにより、作業者の耳への負担軽減や、周辺作業エリアとの音環境の分離が可能になります。
② プレス機・鍛圧機械の打撃音抑制
金属を加工する際に発生する打撃音は衝撃的で、局所的に非常に大きな音圧(dB)を伴います。専用設計の防音カバーを導入することで、安全性向上と作業環境の快適化を実現できます。
(2) 導入により得られる効果
防音カバー導入による効果としては以下などがあります。
① 作業員のストレス軽減・健康対策(難聴予防など)
② 騒音苦情の抑制と企業イメージの向上
③ 騒音規制や法令への対応
④ 機械音による作業ミスの予防
このように「防音カバー」と一言で言っても、現場や機械により用途と目的は異なります。それぞれの課題に応じた最適な防音設計が必要です。
3.防音カバーの設計のポイントは|効果的な静音化を実現するための考え方
防音カバーは、ただ機械を囲うだけでは十分な防音効果を発揮することはできません。使用する機械や設置環境、作業頻度などを踏まえた最適な設計が重要です。ここでは、防音カバーを設計する際に考慮すべき主なポイントをご紹介します。
(1) 騒音源の特性把握
音には「空気伝播音」と「構造伝播音」があり、それぞれに適した対策が必要です。
(2) 通気・放熱性能の確保
機械の中には高温になるものや送風が必要なものもあります。そのため、防音カバーにはエアフローを確保する工夫(換気ファン・ルーバー構造など)が不可欠です。防音性と冷却効率を両立する設計技術が求められます。
(3) 点検・整備のしやすさ
防音カバーを設置しても、日常的な点検やメンテナンス作業が行えなければ意味がありません。開閉式の扉やパネル、簡単に着脱できる構造を採用することで、運用の利便性が高まります。
(4) 安全対策
可動部分がある機械では、非常停止スイッチの取り付けや、作業者が閉じ込められない安全構造が必要です。
このように、防音カバーの設計では「音を遮るだけでなく、機械との共存」がポイントになります。現地調査をもとに、最適な防音設計を行うことが必要です。
4.カネタの防音カバーの特徴|現場に寄り添うオーダーメイド設計
カネタでは、単なる「音を遮るためのカバー」ではなく、現場ごとの課題を解決する「機能的な防音装置」を提供することを重視して、防音カバーの設計・製作を行っております。以下に、カネタ製品の主な特徴をご紹介します。
(1)完全オーダーメイド対応
お客様の機械仕様・設置場所・作業動線に合わせて、一品一様の防音カバーを設計・製作します。標準品では対応が難しい設備やスペース制限のある現場でも、柔軟な設計対応が可能です。
(3) 高い防音性能と実績
カネタのカバーには、吸音・遮音・防振性能に優れた素材を最適配置しており、コンプレッサー、プレス機、ファン、ポンプなど幅広い機械に対応しています。
(3)放熱・換気・安全を両立した設計
防音と冷却の両立は多くの現場で課題となります。当社では、自然換気設計など、防音と機能性を両立した設計ノウハウを活かしています。作業者の安全性や操作性にも配慮した構造で、メンテナンス性にも優れています。
(4)現地調査からの提案
防音効果を最大化するため、現地調査を実施し、設計提案を行います。
(5)製作から施工・アフターサポートまで一貫対応
設計-製作-現地据付-アフターサポートまで、すべてワンストップで対応いたします。短納期対応や急な仕様変更にも、経験豊富な技術スタッフが迅速に対応いたします。お客様の現場に最適な防音カバーを、一から丁寧にご提案いたします。
5.防音カバーのお問合せから納品までの流れ|安心のワンストップ対応
カネタでは、防音カバーのご依頼に対し、ヒアリングから設計・製作・施工・アフターサポートまでを一貫対応しております。以下は、標準的なご依頼の流れです。
(1)お問合せ・ご相談
まずは、お電話・メール・お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。「騒音が気になる」「既製品が合わない」など、ざっくりとしたご相談でも構いません。
(2)現地調査・ヒアリング
経験豊富なスタッフが、機械の種類・設置環境・作業動線などを確認します。現場に適した防音設計の方向性を検討します。
(3)お見積・ご提案
調査結果をもとに、カバーの構造・素材・開閉方式・通気設計などをご提案し、お見積を提示いたします。この段階での設計変更や要望調整も柔軟に対応可能です。
(4)製作・品質確認
ご発注後、社内工場または提携工場にて高精度の部品製作・組立を行います。製作途中の写真報告や、立ち会い検査にも対応しております。
(5)現地据付・施工
完成した防音カバーを、現地にて安全かつ迅速に据付いたします。必要に応じて試運転の確認も行い、その場で調整対応も可能です。
(6)納品・アフターサポート
施工完了後、使い方やメンテナンス方法をご説明し、お引渡しとなります。納品後も、不具合や仕様変更などのご相談に迅速に対応いたします。
納期の目安は、設計から納品までで、約3週間~12週間です。(内容により変動します)
6.防音カバーについてのよくある質問(FAQ)
お客様からよくいただくご質問とその回答をまとめました。ぜひご参考ください。
(Q1)防音カバーの設置でどのくらい騒音を減らせますか?
防音カバーの設計・材質・対象機械により異なりますが、
(Q3)防音カバーの開閉やメンテナンスは簡単ですか?
はい。点検口・開閉扉・スライド式パネルなど、お客様の作業スタイルに合わせた構造を採用しています。日常点検もスムーズに行えます。
(Q4)防音カバーは、小スペースや特殊形状の場所にも設置できますか?
もちろんです。完全オーダーメイド設計のため、スペースの制限がある場所や複雑な配管がある環境でも対応可能です。
(Q5)防音カバーの費用の目安はどれくらいですか?
防音カバーのサイズ・仕様・防音性能により異なります。お見積もりいたしますので、以下の問合せフォームからお問合せください。
(Q6)防音カバー製作の納期はどれくらいですか?
通常は設計から納品まで約約3週間~12週間程度です。お急ぎの場合は一度ご相談ください。
この他にも「既存のカバーを改造できますか?」などのご質問にも随時お答えしております。
ご不明点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。