1. HOME
  2. BLOG
  3. 切粉圧縮機・製缶・レーザーはお任せ!大阪摂津市イキイキ町工場のブログ
  4. 書籍「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」のご紹介

大阪摂津市イキイキ町工場のブログ

切粉圧縮機・製缶・レーザー等お任せください!

切粉圧縮機・製缶・レーザーはお任せ!大阪摂津市イキイキ町工場のブログ
2024年12月19日

書籍「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」のご紹介

書籍「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」のご紹介

カネタでは若手の育成に力を入れています。育成方法としては現場での指導や社内勉強会などが中心です。そして、育成するためには教える側が知識を正しく身につけることが重要と考えています。

日頃、何気なく行っている作業についても、作業手順を教えるだけではなく、
・なぜやるのか。
・どんな場合に必要な作業なのか。
・どんな場合には必要ではないのか。
・実施上の留意点
なども含めて、体系的に伝えなければ伝わりませんし、不良や事故につながる恐れもあります。

そこで、教える側もポリテクセンターの研修に参加して知識の体系化・整理を行うなどに努めています。
(先日、ポリテクセンターの在職者訓練コース「ステンレス鋼のTIG溶接技能クリニック」に参加しました!)

研修以外で、知識整理に役立つのが書籍です。

「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」(野原 英孝著・2012年発行)は、現場で役立つ溶接の基本的な知識や技術を解説した溶接に関する入門書です。

ここでは、目次紹介と内容の一部紹介をさせていただきます。読んでいただいて、興味が湧いたら、ぜひ本書で内容をご参照ください。

1.「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」目次

「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」の目次は以下の通りです。溶接についての基本知識から、現場での実践的なノウハウまでを体系的に網羅した内容であると言えます。

1.溶接って何だろう?

1-1 金属をつなぐ方法の仲間たち
1-2 溶接の基本的メカニズム
1-3 溶接法の仲間とその特徴
コラム “From機械的接合to溶接”の成功事例
1-4 利用価値の高いアーク溶接
コラム えっ!アークで切断?…プラズマ切断はすごい!

2.溶接ができる人になるためには

2-1 安全衛生の特別教育を受ける
コラム 特別教育は、必ず受講しなければならないの?
コラム 違反した場合の罰則規定は?
2-2 溶接の弱点を知ろう
コラム 「ひずみ取り」という仕事
コラム 「溶接欠陥」と「溶接不具合」
コラム 溶接部の非破壊検査
2-3 要求品質の把握と溶接法の選択
2-4 材料を知ろう
コラム 溶接工学は、境界領域の学問
2-5 読図から段取り作業へ
コラム これから溶接記号を学ばれる方へ
2-6 溶接技能の習得
コラム 熟練工いわく『センサは、いらん!』

3.いろいろなアーク溶接法

3-1 被覆アーク溶接法
コラム お勧め!…TIG溶接電源を活用しよう
3-2 マグ溶接法
3-3 ティグ溶接法
コラム 様々な呼び方がある「ティグ溶接」
コラム 既存設備を活かした高付加価値ティグ溶接法
3-4 ミグ溶接法
コラム アルミニウムのミグ溶接の技能訓練にこんな裏技が…

4.知っておきたい溶接施工の予備知識

4-1 知っておきたい溶接継手
4-2 知っておきたい溶接機器
コラム 無断で自動電撃防止装置の機能を失わせてはいけません!
4-3 知っておきたい溶接材料
コラム 長さだけではない! ケーブルによる電圧降下の話
4-4 溶接に失敗した時は…
コラム 熱的はつり法によるスカーフリングについて
コラム 作動ガスに圧縮エアを使用すれば・・・

5.溶接作業の勘どころ

5-1 被覆アーク溶接作業
コラム 定電流特性電源の存在を忘れるな
コラム 被覆アーク溶接棒の溶接電流範囲
コラム ユニークな訓練課題
5-2 炭酸ガスアーク溶接作業
コラム マグ溶接用ワイヤの溶接電流範囲
5-3 ティグ溶接作業
コラム 純タングステン電極に溶融突起物が…
コラム 拘束ジグの初期温度にも気を配ろう!

6.各種金属の溶接施工のワンポイント

6-1 鉄(鋼)の溶接
コラム 鋼材表面の黒皮は不純物
6-2 ステンレス鋼の溶接
コラム 炭素鋼とステンレス鋼の異材溶接
6-3 アルミニウム(合金)の溶接
コラム ほかにもあるアルミニウムのティグ溶接機能
コラム 実験計画法のススメ

いかがでしょうか。気になる内容、読んでみたい内容はありましたでしょうか。

2.「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」内容紹介

次に「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」から内容を抜粋してご紹介します。

1.溶接法の種類

まずは溶接法の種類です。カネタでは、TIG溶接やMIG溶接を行っています。(TIG溶接で使用している不活性ガスはアルゴンガスです)

分類 溶接法の種類
融接 アーク溶接 非消耗電極式:アーク放電時に電極が溶けにくい高融点金属のタングステンを用いる。 ティグ溶接(Tungsten Inert Gas)
・放電用電極としてタングステン、シールドガスとして不活性ガス(アルゴンガスやヘリウムガス)を使用する。
・「アルゴン溶接」、「イナートガスアーク溶接」などとも呼ばれる。
プラズマ溶接
消耗電極式:電極に母材とほぼ同じ成分の溶接棒を使用する。 被覆アーク溶接:金属の心線に被覆剤を塗布した被覆アーク溶接棒を使用する。
マグ溶接(Metal Active Gas)
・溶接棒の代わりに、コイル状に巻かれた針金状の溶接ワイヤを電極として使用する。
・「半自動溶接」ともいう。(炭酸ガス単独で使用する場合、「炭酸ガスアーク溶接」とも呼ばれる)
・溶着金属となる電極の溶着速度が大きく、母材の溶込みが深いことなどから作業効率が良い。
・良質な溶接金属が得られる。
・風に弱い。
ミグ溶接(Metal Inert Gas)
・原理的にはマグ溶接と同じ。
・「半自動溶接」ともいう。
・シールドガスにアルゴンガスなどの不活性ガスを使用する。
ガス溶接

2.いろいろな溶接不具合

また、溶接不具合については以下のように説明されていますので、ご紹介します。

溶接不具合 溶接不具合の内容
溶込み不良 設計上の溶込みに対して、実溶込みが不足しているもの
融合不良 溶接金属と開先面あるいはビードとビードの間が融合していない部分
スラグ巻込み ビードのパス間や母材との融合部にスラグが巻き込んだもの
ブローホール 溶融金属中に含まれるガスが金属の凝固時に表面まで浮上できずに内部に封じ込まれて気泡として残ったもの(気泡がビード表面に現れたものをピットという)
高温割れ(凝固割れ) 溶接金属が凝固する時の温度範囲において延性の乏しい箇所に引張応力が作用して生じる割れ
低温割れ 溶接部が約300度以下になってから生じる割れ。鉄鋼材料においては、溶接部に侵入した水素が発生原因となり、特に熱影響部の硬化が大きく、拘束が強い場合に生じやすい。
アンダカット 溶接によって生じた止端の溝。切欠きとなって応力集中を起こし、割れや脆性破壊の起点になりやすい
オーバーラップ 溶接金属が止端で母材に溶融しないで重なった部分。切欠きとなって応力集中を起こし、割れや脆性破壊の起点になりやすい

3.「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」内容紹介

「図解入門 現場で役立つ溶接の知識と技術」は、基礎知識から実践的なノウハウまでを体系的に網羅していることから、溶接の資格取得のための参考資料としても役立つ内容です。JIS溶接技能者の資格には以下などいろいろな種類があります。

資格の名称 対象材料 溶接方法
手溶接(アーク溶接) 炭素鋼 被覆アーク溶接
ティグ溶接
ティグ溶接と被覆アーク溶接との組合せ
手溶接(ガス溶接) 炭素鋼 ガス溶接
半自動溶接 炭素鋼 マグ溶接
ティグ溶接とマグ溶接との組合せ
セルフシールドアーク溶接
ステンレス鋼溶接 ステンレス鋼 被覆アーク溶接
ティグ溶接
ティグ溶接と被覆アーク溶接との組合せ
ミグ溶接又はマグ溶接
チタン溶接 チタン
チタン合金 ティグ溶接
ミグ溶接

(一般社団法人日本溶接協会サイトから一部抜粋して紹介)

カネタでも若手の資格取得を推進していきたいと考えています。また、今後、「徹底図解 溶接の基本と作業のコツ」(宮本卓監修・2023年7月発行)についても取り上げていきます。

なお、先日のポリテクセンターでの研修についての記事「ポリテクセンター在職者訓練コース「ステンレス鋼のTIG溶接技能クリニック」参加報告」も合わせてご参照ください。

BLOG